ハンドドリップでコーヒーを淹れるための基本器具
ハンドドリップを自宅で始めようと思った時に、どんな器具を揃えたらよいのか悩むことがあるかと思います。基本的に、ハンドドリップで必要となってくるのは、コーヒー粉、コーヒードリッパーとペーパーフィルターでこれさえあればコーヒーを抽出することができます。今回は、よりおいしいコーヒーを淹れるためにあると便利なコーヒー器具を紹介していきたいと思います。
基本の器具とあると便利なコーヒー器具
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- コーヒーサーバー
- コーヒーミル
- ドリップスケール
- ドリップポット
- 温度計
ハンドドリップを始めるのに、必ず必要となってくるのがドリッパーとペーパーフィルターです。
正直、この2つとコーヒーの粉さえあれば、コーヒーを抽出することができるので、手軽にハンドドリップを始めることができます。
ドリッパー
ドリッパーはコーヒーの粉を入れたフィルターをセットして固定するための器具です。形状や材質は様々で、各メーカーから色々な種類のドリッパーが発売されています。
そのため、はじめて購入する際は非常に悩むところだと思います。
種類がたくさんあるということは、それだけ違いがあるということになります。その中でも1番違いが出るのが「抽出時間」だと思います。
ドリッパーの形状や穴の数・大きさ、リブ(凹凸)によって、注いだお湯が、コーヒー粉の層を通過して成分が溶け出し、コーヒーとなって落ちてくる時間(抽出時間)が変わってきます。この抽出時間が速ければ、お湯とコーヒー粉の接触している時間が短くなりすっきりとした味わいになり、反対に抽出時間が遅ければ、お湯とコーヒー粉の接触している時間が長くなるので、しっかりとした味わいになります。
- すっきりとした味わいのコーヒー:抽出時間が速いドリッパーがおすすめ
- しっかりとした味わいのコーヒー:抽出時間が遅いドリッパーがおすすめ
次に代表的なコーヒードリッパーを例に、違いを見ていきたいと思います。
HARIO(ハリオ) V60
ハリオ式は円錐型で底面に大きめの穴が1つ、リブの形が特徴的で螺旋状になっています。
抽出時間は速いので、すっきりした味わいのコーヒーになります。お湯の注ぎ方や速さで味のコントロールをすることができるので自分好みに調整することも可能です。(慣れは必要ですが)
材質はプラスチック製のものからガラス製のものまで様々で、値段もお手頃な価格から購入することができます。
私が初めて購入したドリッパーはハリオのプラスチック製のもので、今はガラス製のものを愛用しています。
KONO(コーノ) 名門ドリッパー
コーノ式は円錐型で底面に大きめの穴が1つ、リブの形はまっすぐで短めなのが特徴です。
抽出時間はやや速めなので、すっきりとした味わいのコーヒーになります。ハリオ式と比べると少し濃いめの味わいです。
Kalita(カリタ)・ウェーブ
カリタ・ウェーブ式は底面に穴が3つ円形に配置されています。底面は他のドリッパーと異なりフラットで、お湯とコーヒーの粉がしっかり接触するような形状をしています。
ウェーブ状のフィルターを使用して抽出することからウェーブと呼ばれています。
抽出時間は速すぎず、遅すぎず、安定した味わいのコーヒーを淹れることができます。
Kalita(カリタ)・3つ穴
カリタ・3つ穴式は台形型で、底面に穴は3つ直線上に並んでいます。最もポピュラーなタイプの形状だと思います。
抽出時間はやや遅く、しっかりとした味わいのコーヒーになります。お湯のコントロールで味に変化を出すこともできますが、バランスの取れた味わいになります。
Melitta(メリタ)
メリタ式は台形型で、底面に小さなな穴が1つあります。
抽出時間は遅く、しっかりとした味わいのコーヒーになります。また、小さめの穴が1つだけなので、抽出する速度が一定となり、味が安定しやすいです。
ペーパーフィルター
フィルターにも色々な種類がありますが、最も一般的なのがペーパーフィルターだと思います。ペーパーフィルター以外にも、金属フィルターやネルフィルターなどもあります。
金属フィルターはペーパーフィルターと比べるとお値段は高くなりますが、洗って何度も使用することができるというメリットがあります。また、ペーパーだと吸収されてしまうコーヒーの成分もしっかり抽出することができるので、コーヒーの風味を余すことなく堪能できます。
ネルフィルターも洗って何度か使用することができますが、お手入れ方法が少し難しいのでややハードルは高めかなっと思います。ペーパーや金属のフィルターと比べるとマイルドな味わいを楽しむことができます。
まずは手軽に購入できるペーパーフィルターから始めてみることをおすすめします。ドリッパーの形状に合わせて同じメーカーやブランドのもので揃えてみましょう。
コーヒーサーバー
ドリッパーをマグカップに直接乗せて抽出する方法もあるかと思いますが、一度に2杯分以上を淹れる時はサーバーがあった方が便利だと思います。
素材はガラス製のものが多く、形状や容量もメーカーによって異なりますが、個人的には保温できるコーヒーサーバーをおすすめします。
私は普段2〜3杯分を淹れることが多いので、600mlくらいのサーバーを使用することが多いのですが、1〜2杯分なら400mlくらいのサイズが扱いやすくて、ちょうど良いと思います。
コーヒーミル
おいしいコーヒーを自宅で味わうためには、鮮度の高いコーヒーを豆で購入して、淹れる直前にコーヒーミルで挽くのに限ります。
私が愛用しているコーヒーミルはポーレックス社のもので、購入したのはかれこれ10年くらい前になります。その当時は今ほど種類もなかったと思いますが、散々悩んだことを覚えています。最終的に選んだ理由としては、とにかく掃除が楽、丸洗いができるシンプルな構造、あと結構大事なのがデザインが好きということです。
コーヒーミルも手動のものから電動のものまで、各メーカーから発売されています。一度にたくさん淹れる場合や1日に何度も淹れる人は電動のものの方が便利かもしれません。
ただ、始めて購入するなら比較的リーズナブルに購入できる手動のコーヒーミルをおすすめしたいです。
ドリップスケール
ドリップスケールはスケールにタイマー機能が付いているものです。最近は色々な機能を兼ね備えているものもあるようで、値段も数千円のものから数万円と様々です。
ハンドドリップの味を安定させるには、コーヒー豆の量は勿論、お湯の量や抽出時間を把握しておくことが必要となってくるので、ドリップスケールが1台あると非常に便利です。
ドリップポット
ドリップポットはお湯を注ぐためのポットです。注ぎ口が細くなっているものが多く、ゆっくり丁寧に注ぐのに適しています。
注ぎ口が均一の細さになっているものは、お湯を細く出すのには最適ですが、自分で湯量をコントールすることはできません。湯量を自分でコントロールしたい場合は注ぎ口の形状が根本は太く、先に向かってだんだん細くなっているものを選んだ方がよいでしょう。
温度調整機能がついた電気ケトルも多く発売されています。コーヒーを淹れるのに適した温度設定ができるのは便利ですね。
温度計
おいしいコーヒーを淹れるためにはお湯の温度にもこだわってみるといいと思います。
コーヒーを淹れるのに適した温度は、コーヒー豆の焙煎度によっても変わってきますが82〜95℃くらいと言われています。
沸かしたお湯をドリップポットに移し替えるとお湯の温度は少し下がり適温に近づきます。おおよその目安でドリップするのも良いかとは思いますが、よりこだわって淹れたい場合は温度計で正確に温度を計ることをおすすめします。
長々と綴ってきましたが、基本的なコーヒー器具だけでも各メーカーやブランドから色々な種類のものが発売されているので、どれが良いのか悩みますよね。何が良いか分からなくなったら、デザイン重視で選んでみたり、フィット感で選んでみたりするのも良いかと思います。コーヒーを淹れるのが楽しくなるような器具でおうちコーヒーを楽しみましょう。