直火式のエスプレッソメーカー「マキネッタ」の使い方
イタリアでは一家に1台は必ずあると言われるほどポピュラーな直火式のエスプレッソメーカー、「マキネッタ」。今回はそんなマキネッタの使い方を紹介していこうと思います。
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マキネッタ
「マキネッタ」とは、直火式の家庭用のエスプレッソメーカーの総称です。自宅のコンロで手軽にエスプレッソ(に近いコーヒー)を抽出することができる上に、お手入れも簡単という優れもの。
私は「髭おじさん」がトレードマークであるイタリアの老舗メーカー「ビアレッティ」のブリッカを愛用しています。
ビアレッティで人気No.1の商品といえば、「モカエキスプレス」ですが、ブリッカはクレマが乗ったエスプレッソを楽しむことができるということで、私はブリッカにしました。
マキネッタのサイズについて
私が愛用しているのは、ビアレッティの「ブリッカ 2カップ」です。ブリッカは他に4カップのタイプもありますが、サイズ展開はモカエキスプレスと比べると少なめです。
購入時のサイズ選びは重要です。通常「大は小を兼ねる」と言いますが、マキネッタの場合は、残念ながらその考え方が当てはまらず、4カップ用で2カップ分だけを抽出するということができません。なので、2カップ用なら毎回2カップ分を抽出することになります。
マキネッタの使い方
マキネッタは、サーバー、バスケットとボイラーの3つに分かれています。
- サーバー(上部:抽出されたコーヒーが溜まる)
- バスケット(中部:粉をセットする)
- ボイラー(下部:水を入れる)
新品の場合、使いはじめは「金属臭」を感じることがあるので、3〜5回程度は淹れては捨てて…を繰り返すことが推奨されています。(飲んでもしまっても大丈夫です)
コーヒー粉を用意する
マキネッタで使用するコーヒー粉は「深煎り」の「細挽き」がおすすめです。
市販されているエスプレッソ用のコーヒー粉の挽き具合は「極細挽き」のことが多いので、マキネッタで使用すると目詰まりをしたり、上手く抽出できないことがあるので注意が必要です。
豆から挽く場合、ブリッカ2カップで使用するコーヒー豆の量は「深煎り」で15g〜18gくらいです。
ボイラーに水を入れる
ボイラーに入れる水の量はマキネッタの種類によって異なりますが、内側にライン入っているタイプのものはラインの下まで、ラインがないものは安全弁(丸い出っ張り)の下までを目安に入れます。
私が愛用している「ブリッカ 2カップ」の水の量は120mlとなっているので、私はいつも計って入れています。
- ブリッカ 2カップ:120ml(水の量)
- ブリッカ 4カップ:180ml(水の量)
バスケットに粉をセットする
「細挽き」のコーヒー粉をバスケットいっぱいまで入れます。
この時、コーヒー粉を押し込むようなことはせず、表面のみ指やスプーンで平らにならしてから、ボイラーにセットします。
サーバーをセットして火にかける
サーバーをセットするときは、最後までしっかりと回して固定します。ここでしっかりと固定しないと、上手く抽出ができないことがあるので注意しましょう。
固定したマキネッタを「弱火」にかけます。弱火でじっくり圧力をかけていくことがポイントです。
※IHなので、IHヒーティングプレート12cmを使用しています。
抽出完了
弱火にかけて、4〜5分するとコポコポと音がして、抽出が始まります。
その後シュコー(アヒルの鳴き声のような音?)という音に変わったら、直ぐに火を止めましょう。
お手入れ方法
抽出が終わった直後のマキネッタは熱くなっているので、十分に冷ましてから扱うようにしましょう。
マキネッタのお手入れ方法は簡単で、水(またはお湯)洗いのみでOKです。
器具に付いたコーヒーの香りと油分を残すことで、金属臭が消えるので洗剤を使用することはおすすめしません。また、ゴムパッキンは毎回ではなく、数回に一回外して洗う程度でよいそうです。
マキネッタを使わないでしまっておく時は、サーバー部分を固く固定したままにしておくと、パッキンの劣化が早くなるので、少し緩めにしておくのがポイントなんだとか。
電気式のエスプレッソメーカーとの違い
マキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)と電気式エスプレッソメーカーの大きな違いは抽出時の圧力です。直火式は3気圧ほどですが、電気式のものは9気圧もの圧力をかけて抽出します。
なので、電気式で抽出されたものの方がより濃厚で、きめ細かい「クレマ」と呼ばれる泡が表面にできます。
このような違いはありますが、手軽にエスプレッソに近いコーヒーを淹れることができるので「マキネッタ」があればコーヒーの楽しみが広がると思います。